逆イールドカーブが資産運用に与える影響
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最近、世界的に景気が後退してしまうのではないかという懸念が出始めています。これは逆イールドカーブが見られたことから、世界的に不安視されているのです。

では、なぜ逆イールドカーブが景気後退のシグナルとなっているのでしょうか?今回は逆イールドカーブの特徴や資産運用に与える影響についてご紹介していきます。資産運用を始めたばかりで逆イールドカーブについて詳しく知らないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

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■逆イールドカーブとは?

まずは逆イールドカーブを説明する前に、「イールドカーブ」が何かをご紹介していかなくてはなりません。イールドカーブとは利回りを指す言葉で、投資で得た1年間のリターンを言います。投資期間ごとに設定した利回りを線で結び、できた曲線をイールドカーブと呼ぶのです。

線を結ぶ時は縦軸を利回り(%)、横軸を残存期間(年)で設定し、線を引いていきます。銀行からお金を借り入れた場合、同じ額を半年で返す場合と10年かけて返す場合だと長期間の方が金利は高くつきますが、これは経済的に言えば正常な状態です。長期間であればあるほど高利回りになることが右上がりの曲線から読み取れるのが、イールドカーブなのです。

イールドカーブの状態は銀行も融資に積極的で、企業も借り入れしやすい状態です。また、住宅ローンの変動金利も通常より低くなることで家が買いやすいというメリットもあります。

イールドカーブは好景気の状態と呼べますが、逆イールドカーブは名前の通りイールドカーブとは逆の状態になります。逆イールドカーブの場合、残存期間が長ければ長い程金利が下回る現象を指します。これは、金融政策によって短期金利が上がってしまうためです。

基本的なイールドカーブとは異なり、長期金利が下がってしまうことによって銀行は融資にも消極的になってしまいます。また、住宅ローンの変動金利も上がりやすくなるでしょう。

住宅ローンの変動金利は上がってしまうものの、固定金利に関しては下がりやすくなります。これは、固定金利が短期金利よりも長期金利に左右されるためです。

銀行などの金融機関が消極的になると企業も融資を得るのに慎重になってしまい、経済が全体的に後退してしまいます。そのため、逆イールドカーブが発生しているということは景気後退の目安とされているのです。

■逆イールドカーブが世界的に注目されているのはなぜ?

逆イールドカーブが世界的に注目を集めているのは、やはり景気後退のサインとして捉えられているためです。金利を決める際に重要となってくるポイントはいくつかありますが、短期金利と長期金利で影響される部分に違いがあります。例えば短期金利であれば中央銀行が設定した政策金利によって短期金利も決まってくるのですが、長期金利はどちらかというと中央銀行よりも市場に参加する投資家達が将来どう見通すのかによって決まってきます。

長期金利と短期金利を比べた時、長期金利の方が金利水準も高くなることが多く見られます。これは、金利変動によって債権の価格が変わってしまうリスクもあり、資金を取り戻すまでの日数が長くなってしまうためです。リスクに応じて適正な利回りが必要になります。

長期金利が低下した場合、逆イールドカーブが発生してしまい景気の後退予測として判断されます。逆イールドカーブが発生したからと言ってすぐに景気が後退・悪化するわけではありませんが、多くの投資家達は逆イールドカーブが発生すると景気が後退する前に資金回収をしておかないといけないと考えてしまうのです。逆イールドカーブの発生によって投資家達が焦り、さらなる景気後退を生んでしまいます。

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■逆イールドカーブは景気後退のサインにならない場合もある

ここまで逆イールドカーブは景気後退につながるサインになっていることをご紹介してきましたが、実はそうならない場合もあります。例を挙げると、アメリカの国債市場では2019年3月に逆イールドカーブが発生する事態を招いてしまいました。

逆イールドカーブによって景気が後退してしまうのではないかと、投資家達は動揺し焦りを感じていました。その後は逆イールドカーブ以外にも相場が下落する可能性を示唆できるサインがいくつか見られたものの、結局それほど大きな影響は受けなかったのです。

ここまで投資家達が逆イールドカーブに対して敏感になっているのは、過去に起きた大きな景気後退の際に逆イールドカーブが発生していたことが関係しています。大きな景気後退が再び訪れてしまうのではないか?という不安に駆られてしまうのです。

逆イールドカーブは基本的に政策金利の低下、もしくは市場に参加する人が景気に対する信頼を取り戻し長期金利が上昇していくかで通常のイールドカーブに戻ります。現在はインフレ率も特に上がってきていないことに加えて、政策金利は上がってきているので金融政策が変更される可能性は高いと言えます。そのため、逆イールドカーブが出ても一時的なものだと判断できるのです。

結局イールドカーブだけで景気を判断してしまうのは安直であり、他の指標と合わせて判断していく必要があります。信用スプレッドや株式のキャリー、企業のバランスシートなども加味した上で景気の流れについて考えていきましょう。

■資産運用にどのような影響を与えるのか?

逆イールドカーブが資産運用に与える影響ですが、上記でも挙げたようにイールドカーブだけを見て景気の流れを判断していると失敗してしまう可能性があります。つい逆イールドカーブが現れると、近い内に景気後退がやってくると考え、投資資金を回収していく方が多いでしょう。

しかし、あくまでも逆イールドカーブが一時的なもので景気に影響がなかった場合、せっかく資産運用に使っていた資金まで回収してしまったせいで、長期金利の恩恵を受けられなくなってしまうこともあるのです。そのため、逆イールドカーブが現れているからと言って焦って資金を回収するのではなく、必ず他の指標もチェックした方が損失を抑えられるでしょう。

最近ではアメリカのJPモルガン・チェースという銀行持株会社からの発表で、逆イールドカーブに対して強い懸念を抱くことはないと指摘しています。過去に起きた逆イールドカーブは平均1年5ヶ月前に現れており、株価では高値とのギャップが発生した期間は約11ヶ月にも及ぶことが明らかになっています。つまり、将来的に株価が下落し全体の景気が後退してしまう恐れはあるものの、まだ様子見の段階であるとJPモルガン・チェースは語っているのです。

景気が後退してしまえばあらゆる資産運用に影響を与えてしまうことでしょう。しかし、逆イールドカーブが現れたからと言って慌てる必要はなく、まずは様子を見て冷静な運用を心掛けることが大切です。

逆イールドカーブは期間が長ければ長いほど金利が上がるイールドカーブに対して、期間が長ければ長いほど金利が下がる現象を指します。逆イールドカーブが現れてしまうと景気後退のサインと言われていますが、実際は他の指標と組み合わせて判断しなくてはなりません。逆イールドカーブが発生しても慌てずに他の指標がどうなっているか確認したり、すぐ投資資金を取り戻そうと売ってしまったりするなどの行為は止めた方が良いです。ただ、これを機会にもし景気が後退してしまったらどう動けば良いのか、あらかじめシミュレーションしてみる機会だと考え、動き方を学んでみても良いでしょう。

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